今シーズンから新たに東京Zの指揮を執る、古田悟HC。日本代表経験もある古田HCに、目指すバスケットや注目選手について語ってもらいました。

東京ZのHC就任の経緯を教えてください。

昨シーズン、横浜ビー・コルセアーズでHCをやっていたのですが、成績が悪くて途中で終わってしまった悔しさがあります。昨シーズンの悔しさをバネにまた新しくやる舞台はBリーグで、という希望があったので、やるからには結果を残したいという気持ちでオファーを受けました。
それと、東頭ACという強力なパートナーがいます。僕が選手の時に彼はマネージャーでした。それ以降も彼はコーチ業をずっとやってきたので、信頼しています。やりやすく、言いやすい環境にあるし、彼も僕のことをリスペクトしてくれていると思っているので、これからうまくチームを作っていけたらと思っています。

HCになる前の東京Zの印象は？

以前、羽田ヴィッキーズという女子のチームにいたときに、練習で同じ体育館を使用していました。その当時は応援する方も少ないイメージはあり、東京Zもまだまだだなと思っていました。
今は、Bリーグ効果はありますが、昨シーズンの入場者数の伸びを見ても注目されているチームだとは感じていました。

実際に合流してみていかがですか？

選手たちも去年のシーズンは不甲斐ない成績だったというのもあるし、僕自身も途中で終わってしまった悔しさもあって、そのあたりは共通点ではあると感じました。見返したい、挽回したいという気持ちは一緒だと思います。言い訳はいっぱいできるけど、結論ではコーチと選手がやるべきことは勝つことだと思っていて、最終ゴールはチームの成績を上げることです。B1昇格を目指しているチームですし、僕も結果で応えたい。昨シーズンの分は今シーズン取り返すしかないと思っているはずです。
どんなに素晴らしい選手やコーチであっても、順調にいくわけではないし、うまくいくことなんて絶対になくて、むしろ失敗した後が大切だと思っています。失敗した後にどういう行動をとるかが重要だと思っているので、その積み重ねが良い選手、良いコーチ、良いチームにつながると思っています。失敗しても人生終わるわけではないし、死ぬわけでもない（笑）。チャンスをいただいたのはとてもありがたいことですし、そのチャンスを僕自身も選手自身も無駄にしたくないというのは共通点ですね。

古田HCの目指すバスケットは？

ディフェンス主体のバスケチームです。僕が選手の時もコーチになってからもディフェンス主体というのが一番です。オフェンスは50点取ればいいと思っていて、たった50点でもディフェンスをしっかりやれば勝てるという考えです。極力、失点を減らすというところが自分のスタイルだと思っています。

ディフェンス主体のチーム作りに向け、選手の反応はいかがですか？

まあ…いやでしょうね（笑）。今はフィジカルとハードワークとメンタルタフネスという3つのことをずっと言い続けています。体をぶつけたりすることが当たり前で、嫌なことばかりやっていますが、それが勝ちにつながります。できている部分はあるけれど、今は10回中3，4回できているという感覚ですね。フィジカル面も含めたディフェンスの部分で、できることをどんどん増やしていかないと勝つことはできないと思っています。毎回成功するのは難しいと思うんですが、その確率を上げていくことが重要で、相手を止める確率を上げていけば失点は少なくなってくるはずです。
今はすごく我慢の時だと思っています。シーズンが始まるまでの練習ゲームスケジュールも、あえて強いチームと行いました。アーリーカップでもそうですし、それとは別にB1のチームだったり韓国のチームとも対戦したりしたのは、精神的にも肉体的にも強くなってほしいというコンセプトがあったからです。あえて強いチームにお願いして胸を借りました。今のところは、まだまだだなというのが正直なところです。

「世界に通用する日本人選手を輩出する」という東京Zのチーム理念にどのように貢献しますか？

やるからにはトップを目指さなければいけないし、2番を狙うわけではない。そういうのは好きですね。でも今年中に達成できることではないと思うので、1歩1歩近づきたいと思っています。まずはチャンスがあれば代表選手や3×3に選手を送り込みたいなとは思っています。そこから世界に向けて選手を輩出できたらいいかなと。かなり大きなプロジェクトですが、それがこのチームだと思っています。

注目選手は誰ですか？

キャプテンの高山選手は、とてもタフな選手だと思っています。彼はチームの中心選手で、長年このチームを支え続けてきました。今は我慢の時ではあるけれど、ディフェンスも得点ももっと絡むようになってくれば、また違った彼の姿が見られるんじゃないかな。派手さはなくてもチームに貢献してくれるプレーヤーだと思っています
それと村越選手。ディフェンスは教えてきたので、ある程度の自信を持ってやってくれていると思います。彼には代表候補に入るように育てたいです。それだけのものを持っていると思います。外国籍選手がいないときは、彼がインサイドを攻める・守ることが多くなると思うので、今シーズンも成長してくれたらうれしいですね。注目選手はいっぱい出てくるけど、今回はこのへんで（笑）。

今シーズンの目標はなんですか？

もちろんB1昇格です。チームとしてもそこが肝だと思っています。厳しいこともあるだろうけど、昨シーズンの20勝から、今シーズンは40勝まで。そのくらい勝たないと一番上には上がれないと思っています。でも高い山ほど登りがいがありますね。

最後にファンの方々にメッセージをお願いします。

会場に来ていただいて応援してもらえることが、チームにとってすごく大きな力になると感じています。「ONE WILL」というチームコンセプトに集結して、みなさんの声援を力にB1昇格に向けて進んでいけたらと思います。応援よろしくお願いします。