増子匠 開幕前インタビュー
2018-19シーズン、好調なスタートを切りエースとして活躍するも、怪我で離脱。2シーズン連続で怪我に悩まされるが、必ずレベルアップして帰ってくる増子匠選手。
8/31(土)のプレシーズンゲームで、251日ぶりにホームコートに立ち、復帰を果たしました。
怪我したときの率直な気持ちは?
昨シーズン、平均12.6得点、金沢戦30得点7アシスト、信州戦両日で46得点を記録し、多くの人の記憶に残る活躍を見せた増子。勝ち星を重ねるチームの中心に立ち、圧倒的存在感を放っていた。
しかし、12月23日広島戦、会場に痛々しい叫び声が響いた。不運にも、負傷してしまった。診断結果は、「右膝前十字靭帯損傷」「内側側副靱帯損傷」。全治10ヶ月と言われた。
2017-18シーズンも「左足第2楔状骨骨折」で約3ヶ月離脱していた増子。
「なんでまた俺なんだろう、って思ったね。こんな思いするなら、バスケを辞めたい」そう思うほど、怪我の痛さや精神的辛さを味わった。
「めちゃめちゃバスケがしたかった」
「リハビリ中の焦りとか不安は無かった。だって、全治10ヶ月って決まってるから、その間我慢して、リハビリして、そうすればまたできるってわかってるから」と、淡々と話していたが、そのリハビリ生活は想像を超えるほど大変だっただろう。
「ほぼ毎日リハビリしていた。ストレッチしたり、膝の曲げ伸ばしの練習したり、アイシングしたり」。とにかく暇さえあればリハビリに励み、朝から晩まで体のことを考えていた。
リハビリ期間中は、「めちゃめちゃバスケしたかったね。シュートしたいし、なによりも歩きたいし、走りたいって気持ちが強かった」。
リハビリの内容は、歩けるようになるまでは基礎的なことを中心に行っていた。負傷箇所だけでなく、体全体の使い方や動かし方など、怪我をしない体づくりに励んだ。
「久しぶりに走ったときは、ずっごい嬉しかった」。
怪我から4ヶ月程でジョギングやシュートを打てるようになり、努力のおかげて8ヶ月という期間で復帰を果たした。
全員がチャレンジするチーム
チームの雰囲気は、「めちゃめちゃいい」。
昨シーズンと比べて、ベテラン選手が少ない今シーズンの東京Z。「そういった点では経験値が高くないから、そこは弱い部分かな」。
しかし、その分全員でやらなければいけないという意識が強く、みんなで声を掛け合っている。「全員がチャレンジしているし、毎日うまくなりたいと思って練習している。経験値が足りないところは、シーズン通して高めていければいい」。
シュートが入るようになれば自信はつくし、勝てるようになれば自信はつく。選手全員が同じ方向を向いて進んでいるだけに、チームワークは抜群だ。
現在、怪我人が多い状況に対しては、「マイナスになっていないわけではないけど、チームの雰囲気は落ちてはいない」。厳しい状況は続くが、それぞれが『自分がやらなければいけない』という意識を持ってポジティブに捉えている。
キャプテンとして「背中で見せる」
今シーズンから、キャプテンに抜擢された増子。
「キャプテンが2人いるから、気負い過ぎず。誰よりもやることをやって、背中で見せていければ良いかな」。特別キャプテンという役割を意識しているわけではなく、「全員がやるべきことをやればいい」と話す。
もう1人のキャプテン 柏倉選手に対しても、「テツが戻ってきたら、もっとチームは良くなる」と期待を寄せる。
増子選手にとっての「Go!Amazing!」
今シーズン、ポジションコンバートなど、それぞれの可能性を広げるための挑戦をする東京Z。「チームの新しい挑戦を必ずやり遂げたい」と決意を固める。
今シーズンのスローガンは「Go!Amazing!」
増子は「一つ一つの試合で勝って、感動を届けたいのはもちろんだけど、それだけじゃないかな。1シーズン通して、俺らが成長していく様を見てもらえれば、最後に大きい感動を届けられるんじゃないかと思う」。
現在開幕に向け、1日1日上手くなろうと練習やトレーニングに励んでいる。レベルアップして帰ってきた彼のコートでの爆発力は計り知れない。会場のファンを魅了するそのプレーを、シーズン最後まで見届けて欲しい。