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柏倉哲平 開幕前インタビュー

 今シーズンはキャプテンに任命され、「チームの文化」の担い手となる柏倉哲平。個人としての成長は感じつつ、今シーズンはチームを勝利に導けるようなPG、キャプテンを目指す。

昨シーズンを振り返って
「伸び代を残した50点」

 昨シーズン行われた60試合全ての試合でコートに立った柏倉。「チームに貢献するという個人的な目標は達成することができて達成感はありました。でもチームの結果は2年前と同じだったので悔しさが残るシーズンでもあります」と、昨シーズンの後悔を振り返った。昨シーズンは22勝で中地区4位、その前のシーズンは20勝で中地区最下位という結果だ。「もう少しこうしておけばよかったかなと思うところはありますし、悔いが残るシーズンでした」。チームとしていい成績を残すことができなかったことに、反省点を挙げた。

 それでも昨シーズンの最終戦、迎えたホームゲームで東京Zは20点以上離れた点差を後半で詰め寄り、最後まで勝敗が分からない試合に持ち込んだ。そして第4ピリオドの最後の最後、大勢の東京Zファンが見守る中、逆転シュートを決めたのは柏倉だった。「正直あの時は、開き直ってプレーしていました。思いっきりやろうと思って、考えるよりもとにかく打つ。結果として、しっかり守って走る、東京Zらしいバスケットに繋げることができました。これはなんとしても落とせない、絶対に勝つ気持ちでいました」。個人の成長に加えて、チームの成長も感じていた。「点差が離れていた中でも、ファンの皆さんが声を出して応援してくれる状況はなかなかありません。応援が後押ししてくれた、ということを身に染みて感じました。あんな試合を増やしたいと改めて思いました」。

 そのプレーには、柏倉が積み重ねてきた練習の成果が現れていた。「実は一昨年の最終戦のホームゲームでも自分がラストシュートを打って、それが外れてしまったことで負けてしまったんです」。一昨年のシーズン最終戦も、運命のラストシュートは柏倉に託されていた。その柏倉が放った最後のシュートはレイアップシュート。ビッグマンがブロックに来たため、ボールを浮かせることでディフェンスをかわそうとしたが、あいにくシュートは外れてしまった。一昨年のシーズンが終わってから去年のシーズンを迎えるまで、柏倉は当然忘れることはできなかった。「ビッグマン相手に浮かせてシュートを打つことは、シューティングの時に必ず練習していました。偶然、昨シーズンのラストプレーも同じようなシチュエーションになって、そこで決めきれことは本当によかったと思っています。少しは報われたのかな」。自分なりに成長を感じている。

 一昨年のルーキーイヤーは、「先輩たちに活かしてもらっていたから30点」と柏倉は過去のインタビューで答えていた。「昨シーズンは一緒にPGとしてプレーしていた西山さん(西山達哉選手・現信州ブレイブウォリアーズ)が怪我をして、自分が多く試合に出場する機会をもらえたことが大きな変化でした。たとえシュートが入らなくても、自分は積極的な姿勢を見せ続けなくちゃいけません。メンタルの保ち方も変わりました。人に頼るというよりも自分がゲームコントロールをして勝敗を左右するプレーに関わらなければいけないという、責任感が芽生えましたね」と、一昨年のルーキーイヤーから昨シーズンの自身の成長を振り返る。「昨シーズンはルーキーイヤーよりはアップして50点くらいでいいんじゃないかな(笑)」。それでもまだ50点の伸び代を残している。「スキルもゲームコントロール能力も人並みではダメだと思っているので、より高いレベルを追い求めていかなくてはいけないということで、50点を残しました」。自身の成長を感じつつも、まだまだ成長途中でもある。

キャプテンとしての覚悟

 そんな柏倉は、今シーズン東京Zのキャプテンを務める。「チームはキャプテン次第で変わると思っていて、キャプテンの姿勢、鼓舞の仕方、まとめ方でいくらでも成長すると思っています」。小学生の時から大学まで、キャプテンを務め続けてきた経験がある柏倉は、その経験を生かし、東京Zでのキャプテン象を思い描く。「責任はありますが、今までよりチームに目を配ってアドバイスをしたり、チームメイトを鼓舞したり、常にチームのことを考えてチームを見て行動しなければならないなと思っています」。キャプテンとして様々な経験をしてきた柏倉。責任感で押し潰されたことも、苦い思い出を味わったこともある。「キャプテンは、そう甘くないということも分かっています。言うところはしっかり言って、チームを勝たせられるようになりたいです」。

 また、今シーズンの東京Zは比較的若いチームなった。その分、コミュニケーションは取りやすく、プレーに関しても話し合える関係性が生まれている。しかし「接戦をものにできるような試合勘が足りないと思います」と、若いからこその課題もある。一方で「プレーオフのような一発勝負は勢いが大切だと思います。何が起こるかわからない試合なので、そこで人を沸かせられるようなチームになっていきたいです」。若さでチームに勢いをつける。

 そして今シーズンのキャプテンは増子匠選手との2名体制。「増子さんも一緒に、二人で協力しあってコミュニケーションを取れています。自分は声を出すことでチームを鼓舞して引っ張って行くタイプなんですけれど、増子さんはどちらかと言うとプレーや姿勢で引っ張っていくのが得意なので、それぞれの特徴を活かしていけるんじゃないかなと思います」。

開幕に向けて

 開幕に向けたチーム練習としては、オフェンスの連携を深めたり、フィジカルを使ったディフェンス、トレーニングにも力を入れて取り組んでいる。プレシーズンゲームも終え、課題が明らかになった今、高い強度や徹底度を求めて開幕までの調整中だ。しかし柏倉は先日クリーニング手術を経て現在もリハビリ中のため、練習には合流していない。「右足の筋力アップや、体のバランスが悪いので整えるトレーニングを積んでいます。これから量も増やしていって、コンディションを上げていかなければいけません。

 長い戦いになると思うので、我慢強く辛抱します。復帰した際には、体の強さや当たり負けしない体幹を身につけた上で、コートで躍動できるようになります」と、ポジティブな考えを示した。シーズン開幕後には今まで以上にパワーアップした柏倉の姿が見られるはずだ。

柏倉選手にとっての「Go!Amazing!」

 「理想は去年の最終戦のような、まさかと思うような、ファンの皆さんや見ている人達が思いもよらないような試合をしたいです」。誰もが昨シーズン最終戦の試合展開には驚かされた。「東京Zに、プレーオフで優勝争いをすると期待している人は今のところ多くは無いと思うんです。それでもシーズン中にどんどん成長して、『今年の東京Zってこんなチームだったんだ』と思ってもらえたら嬉しいです。応援してくれる人が増えるようなチームになります」。

 昨シーズン最終戦で「Go!Amazing!」を体現した試合を見せつけた。そんな昨シーズン最終戦のヒーローが、今まで以上にパワーアップして、今シーズンもチームに勢いをつける。「Go!Amazing!」の継続は柏倉の手にかかっている。