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【逆転ストーリー vol.6】池田慶次郎「30歳でプロデビュー 夢追い人に勇気を与える存在へ」

 

今シーズンのスローガンXCEED(超える)を表現する1つのキーワードは「逆転」。
今回紹介するのは、サラリーマンからプロバスケットボール選手への転身を決断した、池田慶次郎選手の「逆転ストーリー」です。

池田選手は中高一貫の私立京北中学・高校に進学。
現在、福島ファイヤーボンズで活躍している田渡凌選手が同期のチームメイト。
そして、高校卒業後は早稲田大学に進学してバスケットボールを続けていた。
 
池田選手が大学を卒業する頃、日本のバスケットボール界は2016年秋に開幕するBリーグに向けて、多くの同年代選手がプロ選手を目指していた。
しかし、池田選手はサラリーマンを選択。
 
「尊敬する父のようになりたくて、社会人の道を選びました」
 
お父様も大学までバスケットボールを続け、その後、サラリーマンとして安定した家庭を作り、池田選手とお兄様を育てた方。
そのお父様の後ろ姿を追いかけてサラリーマンの道を選び、三井住友海上火災保険株式会社へ入社した。
 
「(社会人の道を選んだ)自分の選択は間違っていなかったんだと証明するために仕事に費やしました。
昇進を2回経験するなど、一定の評価をいただいていたと思います。」
 
同社には関東地域リーグに所属するバスケットボール部があり、池田選手もバスケットボール部員とサラリーマンの「二刀流」を続けていた。
しかし、日本代表キャプテンの富樫勇樹(現千葉ジェッツ)選手ら同年代選手がプロの華やかな世界でプレーしているのを見るうちに、気持ちに変化が生まれてきた。
 
「6歳から続けているバスケットボールへの想いは大きくなるばかりでした。
同年代の選手が脚光を浴びるのを横目に見ながら、最初は憧れだったのが、いつしか自分の選択への後悔へと変わっていくのを感じてきたんです」
 
ここから池田選手の逆転ストーリーが始まる。
 
「大手企業の三井住友海上を辞める、すなわち今後の人生の安定(どこに所属をしていようが何があるかは分かりませんが)を手放すことは大きな勇気が必要でしたが、「一度きりの人生」において「遅すぎることはない」と一念発起し、プロ選手になるための行動を始めました」
 
そして、アースフレンズ東京Zは新たなピースとして池田選手と契約した。
 
「運良く、東京Zに拾っていただき念願のプロ選手デビューとなりましたが、第一線のバスケットボール選手としての空白の7年半という期間を埋めるのは、並大抵の努力ではかなわないとわかっています」
 
本人も、プロ選手として活躍することが真の意味での逆転ストーリーの完結となることを理解している。
 
契約前には「本当に会社辞めるの?」というネガティブな声もあったそう。
それでも「勇気ある決断は、私たちの希望です」と30歳でのプロデビューを後押ししてくれた人も多くいた。
 
「30歳プロデビューで終わらせずに結果を出すことが、多くの夢追い人にとって勇気を与える存在になると信じて精進します」
 
池田選手は10月6日、開幕戦の第1Qでいきなり出場。
同7分すぎ(残り2分53秒)でプロ初得点をマークした。
 
「得点を決めたこともうれしかったですが、コート上の選手やベンチも全員が祝福してくれたことが、とても感激しました」
 
試合後も1人黙々とシュート練習を繰り返す姿を見て、池田選手の逆転ストーリーが完結に向けて前進していることを感じる。


(コラム担当:AKIRA)


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