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TAKU’s BRAIN vol.8『世界を目指す1stステップ』後編


斎藤卓ヘッドコーチへのインタビュー「世界を目指す1stステップ」後編。チームの状況、そして選手に期待することを伺いました。


Q.現在のチーム状況はいかがでしょうか?

満足できるような結果はまだ伴っていませんが、日々成長をしていると手応えは感じています。 一番の課題は、やはりチームとしてのシステムの成熟度が安定しないところですね。
ものすごく良い判断と実行度でプレーできる時もあれば、できない時もある。ゲームでどれだけ良い時間帯を長く作り出せるかが重要になってくるので、選手だけではなく、ヘッドコーチである僕自身に対しても日々の課題だと思っています。

僕らのシステムはものすごくシンプルなので、うまくプレーできている時とできていない時の違いは明確です。特に映像を見るとどこに問題や課題があったかが分かりやすいので、まずはゲーム毎にしっかりと評価をして、問題や課題を浮き彫りにしています。
そしてそれらを解決するために練習でアジャストする。そしてまた、試合で実行する。
ビジネスの世界で【PDCAサイクル】という言葉がよく使われますが、基本的にはこれと全く同じことだと考えています。

Plan 「計画を立てる」
Do 「実行する」
Check 「評価する」
Action 「改善する」

“若さ”や”経験不足”と表現されるように、『できるようになったと思ったことが、試合になるとうまくできない』という部分もありますが、このサイクルを繰り返すことによってチームの質が向上していき、選手は確実にステップアップしてくれていると感じています。


Q.序盤戦で怪我人が続いてしまいましたが、その部分の影響はありますか?

※リッチー・・・第2節秋田戦で負傷。6試合欠場。
※増子・・・第3節茨城戦で負傷。現在11試合欠場中。

確かに、リッチーがいない間はリバウンドの部分で厳しい状況ができてしまったことは否めないと思います。
また、増子が得意とするような、ドライブで切っていける選手が一人いなくなってしまったことも、影響は小さくはなかったですね。
欠場となるまで、リッチーは平均で約10得点8リバウンド、増子は7得点4アシストをとってくれていましたので。

リッチーがいない間は基本的にはオンザコート0か1で戦うことを選びましたが、その間は日本人選手が非常に頑張ってくれたと思います。特に中村や村越、高山は、外国人選手に対してもしっかりと体を張って戦ってくれましたし、1回で取りきれないリバウンドにガード陣もよくボールに絡んでフォローしてくれました。
苦しい状況のなかにありながら、ガード陣のリバウンドやルーズボールへの意識が非常に高くなったことは良かった点でした。

増子が抜けた部分は今も影響はありますが、それでもシステムが機能すればチームとしては問題なく戦えると思っています。リッチーが抜けた時に全員がリバウンドを頑張るようになったのと同じで、全員でカバーをしながら色々な場面で成長できるチャンスも広がりました。
西山や柏倉なんかは、本当にここ3、4試合でどんどん上手くなっていますしね。

天皇杯予選で怪我をした中川もだいぶ調子が上向いてきましたし、怪我人がでても悲観的になるのではなく、チームとして前向きに捉えて頑張ってこれているので、今は非常に良い状態になってきています。
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Q.プレー以外に、選手に求めるもの・期待する事はありますか?

日々の練習をいかに試合以上の強度でできるかどうかが、最も大切なことの一つだと考えています。 どんなことでも同じですが、個々の癖が習慣になり、その習慣はチームの文化に繋がります。
チームは友達同士の集団ではなく勝つために集まっている集団なので、強くなるために各々ですべきことを日々考えて、皆が良い習慣を常に持てるような組織にしたいと思っています。

高山は唯一の生え抜きであり、今シーズンもキャプテンとしてチームを率いてくれていますが、プレー面でもリーダーシップにおいてもこれまで以上の役割を求めているので、今はまだ戸惑っている部分も多少はあると思います。
ですが、もっともっと上手くなれる選手と信じて期待しているので、成長と共に、他の選手へ良い影響を与えられるような存在になってほしいですね。

あとは、東京Zは真面目な選手が多く集まっているので、皆が正しい目的意識をもって取り組めるように、プロとして長く活動している選手には、チームにとって必要な言動・行動を積極的にしてほしいと伝えています。
日頃から時間をどう使うのかを背中で見せてほしいですし、そういうことの一つ一つが最終的に習慣や文化に繋がると思っています。


Q.ルーキーシーズンを迎えている古牧選手や柏倉選手についてはどうでしょうか?

若さという力でチームに活力を与えてほしいですね。
古牧が活躍をするとベンチがとても盛り上がるんですよ。体を張ってしっかりディフェンスもできる選手なので、求められていることをいかに正しく強度を高めてプレーできるかがポイントになってきます。天然っぽいキャラクターなのですが、ポテンシャルも高く良い空気感を持っているので、皆さんもぜひ注目してみてください。

柏倉は気持ちが強い選手なので、得意とするプレーは自信をもってこれからも続けてほしいですね。その上で試合の流れを読み切って、しっかりと試合とリズムのコントロールもできるようになってほしいです。
最近では、彼自身から“自分がチームを引っ張るんだ”という雰囲気が出ているのも伝わってきます。
ポイントガードは今の我々のシステムにおいて最も肝になるポジションなので、彼だけではなく、新加入の西山、ベテランの中川といったガード陣の奮起と成長には大いに期待しています。
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Q.チーム編成を変えるという大きい判断もあったなか、秋田ノーザンハピネッツから1勝を勝ち取る等、上向きの様子も見えてきました。前半戦、どのように締め括りたいですか?

第2節に秋田さんと対戦した時は、GAME2こそ点差的には競りましたが、それでも正直チームの精度としてはまだまだ低く、内容的には差があったのが正直なところです。点差が詰まっても、秋田さんは一度もタイムアウトを取りませんでしたからね。
でも今回はコーチングスタッフの中ではしっかり戦える根拠がありましたし、実際の試合も想定通り戦い切れたと考えています。
特に西山・柏倉の成長が大きく、シーズン序盤の頃の精度と比べると、どんどんチームに厚みが出てきていると思います。良い時と悪い時の振り幅はまだまだ大きいですが、選手それぞれが自信を持ってプレーできる時間帯が本当に多くなってきました。苦しい時もチーム全体で声を掛け合って前を向く努力をしているので、ここから巻き返していきたいですね。
 
また、僕らの強みは、チームミッションである“世界に通用する日本人選手を輩出する“ことを遂行するために、『育成』に繋がる行動を実践できることだと思っています。
今回は選手編成を変える大きな決断をしましたが、今後も選手だけではなく、バイウィーク中に東頭コーチにイタリアへ渡っていただいたように、コートスタッフ陣の成長や”世界を知るスタッフ”の拡充も必要だと考えています。ヘッドコーチとして、より僕ららしい舵をしっかり切れるように、チーム全員の成長を促していきます。


Q.最後に、ファンの皆さんへメッセージをお願いします。

チームというものは“生き物”ですので、一つずつできる事が増えて、選手もチームも少しずつですが確実に成長をしていると思います。
『勝利』という形で皆さんの声援にお応えできるのが一番ではありますが、例えそれが叶わなくても、チケットを買って試合会場まで足を運んでいただいた皆さんはもちろん、WEBやSNSを通して応援いただいている皆さんに、何か『感動』を伝えられる試合をしようと、選手にはいつも伝えています。
最後まで諦めずにボールを追い、全員でゴールを狙う。チーム皆で力を合わせてシュートチャンスを作る。
当たり前のことですが、その当たり前を常にやり続けられるよう、僕自身も選手もしっかりと意識をもって、今後も毎試合臨んでいきます。

また、試合の40分間だけではなく、開場から退館までを通して『また来たい』と思っていただけるような空間を作れるチームを目指していきたいと思います。ファンの皆さんには楽しんだり感動していただいたり、ミニバスや部活の指導者の方々には、生徒や教え子を連れて行きたいと思っていただけたらベストですね。

ウォーミングアップやレイアップ、選手の立ち居振る舞いのその一つ一つからでさえ、明日に繋がる『感動』を感じ取っていただけるよう、1試合1試合を大切に戦っていきますので、ぜひ試合会場に足をお運びいただき、ご声援をお願いします。
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