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ギリシャ編インタビューvol.1


今回の渡欧目的は「強いチームの文化の創り方」を学ぶこと。
なぜ数多くあるチームの中から「オリンピアコスBC」への帯同を選んだかというと、ヘッドコーチのデビット・ブラットへの憧れはもちろんあったのですが、何よりも「オリンピアコスBC」という長く勝ち続けるチームに興味を持ったことがあります。この常勝の文化はいかにして作られているのか?そこをアースフレンズ東京Zとして探っていこう、と。

ヘッドコーチが変わってもチームが変わらない理由

「オリンピアコスBC」との窓口になってくれているのが、チームマネージャーのクリストス・バフェス氏。チームに17年間在籍するベテランです。またもう一人のマネージャーはなんとチームに27年間も在籍している大ベテランのアントニス・ニタイス。(彼の自慢はオリンピアコスが勝った全てのチャンピオンシップをチームの一員として目の当たりにしてきたことだそうです)。ただヘッドコーチは10年の間に5人雇っています。コーチが変わってもチームが大きくぶれない理由、勝ち続ける理由とは一体何なのか?そこを試合前、バフェス氏に聞いてみました。

東頭「コーチが変わっても『オリンピアコスBC』というチームのカラー、雰囲気は常に変わらないでいる印象があります。それはなぜかというのをお聞きしたいのですが、その前に『チームルール』というのはどのようなものがありますか?」

バフェス氏「チームにはプレジデントやGM、自分たちチームマネージャーの決めたルールがもともと存在していて、それをもとにチームは運営されているんだ。だからヘッドコーチが変わってもチームの文化や規律が大きくぶれることも変わることもない。ただ、もちろんヘッドコーチによって、細かいルールは変わるから、そこはチームとヘッドコーチがしっかり話し合ってお互いで”創っていく”ということになる。

東頭「ルールを変えながら創っていくということを具体的に教えてください」


バフェス氏「例えば、オリンピアコスBCではチームのみんながホームスタジアムの側に住んでいるわけではない。だから前のコーチはホームゲームでも必ずスタジアム近くのホテルに全員を前泊させて試合に集中させていた。前泊して試合当日の朝、シュートアラウンドをする。その後はスタジアム近くのホテルに戻って、チームで食事をして、休んでからゲームに入るよ。でもコーチブラットはそれに反対だったんだ。「選手に家族や私生活も大切にしてほしい」ってね。最初は前泊もシュートアラウンド後のホテル滞在もやめようと言われた。でも、試合当日の往復1.5時間や2時間を超える車での移動を避けたい、とこれまでのチームの考えを説明したら理解して自分の考えを変えてくれたんだ。チームもルールを変え、コーチブラットもこちらの考えを理解して、新しいルールを創り出したんだよ。他には以前、チームで移動したり食事をするときは必ずウエアの色を揃える、というヘッドコーチもいた。今日は選手は黒のTシャツ、スタッフは赤のポロシャツ、というようにね。大人だから、最初はそういうルールを窮屈に感じる人もいる。特にアメリカ人選手はそういう傾向が見られるかな。人種で違う、と考える人もいるよね。でも、それが一旦、習慣化されると、『チームとしてのケミストリー』が徐々に醸成されていくのも目にしてきた。『みんなで同じことをする』、ということも徹底すれば、チームケミストリーの醸成につながることもあるんだよ。チームルールは2~3年に一度見直し、その時代にあったものに常に改善を加えるようにしている。」

ルールの浸透

東頭「チームルールはどのように浸透させていますか?」

バフェス氏「それはチームみんなの仕事だ。たくさんの国から色々な選手が集まってくるから、こうしたルールを守ることは非常に大切なんだ。逆にこういうルールがあるから、コーチが変わってもチームが大きく崩れることはない。こういうルールは明文化してしっかり選手に伝えるようにしている。SNSのルールなんかもしっかり作っているよ。今の時代、SNS上で選手がファンと喧嘩なんか始めたら大問題だからね。」

東頭「コーチが変わった時はどうしていますか?1から作り直しますか?」


バフェス氏「ヘッドコーチが変わっても、前のヘッドコーチがやっていたことでよかったことは必ず新しいヘッドコーチにも勧めるようにしているよ。もちろん、新しいヘッドコーチがそのやり方を好まなければ無理強いはしないけど、大体のヘッドコーチは、『俺が全て知っている』という感じではなく、柔軟に我々の話も聞いてくれるものなんだ。さっき言ったコーチブラットのホテルの話なんかもそうだ。こうしてチームとコーチが協力して一緒にチームを創ってきたことこそがオリンピアコスの強みなんだと思う。」

▲バフェス氏

チーム創設5年目のアースフレンズ東京Zの哲学

バフェス氏はその後、実際のオリンピアコスBCのルールがまとめられたものを見せてくれました。それは移動から外国籍選手の住居のことなどまで、詳細にされたもので、そこにこの数十年間のチーム作りの根本が詰まっている、という重みを感じました。
アースフレンズ東京Zはまだチーム創設5年目、という若いチームですが、今回バフェス氏とオリンピアコスから学んだことをもとにまた新しい「チームの哲学」を考えていきたいと思います。