SHU’s EYE vol.6 「世界レベルの“戦う姿勢”を 選手に伝えたい」
リーグ優勝だけでなくその先を見据えたチーム作りをしている小野ヘッドコーチに、現在の世界のバスケットボールから何を感じ、今のチームに何を伝えようとしているのかを伺った。
いま、世界の中で注目しているチームはありますか?
月に何回か、WOWOWでNBAの解説をさせてもらっていて試合を観ています。NBAの30チームはどれも違う個性を持っていますが、強いチームを大きく分けると、スーパースターが何人かいて勝ち上がっていくチームと、ビッグネームはいないけれどチーム全員で戦って勝ち上がっていくチームの2つがあります。
その中で僕が今注目しているのは、NBAのイースタンカンファレンスで現在首位(2月25日現在)のアトランタ ホークスです。このチームは、僕の目指す理想に近いチームだなと思っています。
どのような点を魅力に感じていますか?
(サンアントニオ)スパーズにも似ているんですが(*1)、誰か一人にボールを集めてプレーを作るのではなく、ボールをチームでシェアしながら5人の中で一番良いシュートセレクションでシュートを打つというバスケットをする。もう一つはディフェンスをしっかりやって、常にボールにプレッシャーをかけ続けるというところ。こういう部分が僕の考えと似てるな、と思う部分です。
世界のバスケを観て感じる部分というのはどんなところですか?
具体的なプレーもそうですが、”戦う姿勢”というのを常に勉強させられます。これはNBAでも日本のバスケでも共通するものだなと。そういう根底にある基本的な部分は変わらないなと再確認させられますし、さらにその根底にあるのは”競争心”だと思います。やはりトップレベルの選手になると「負けたくない」という気持ちがもの凄い伝わります。
チームの選手には世界のどのような部分を伝えようとしていますか?
華やかなプレーや素晴らしいプレーの影には、誰にも見えないところでの練習があるんです。トッププレーヤーは本当に時間をかけて練習しています。シューティングにしても「なんであんなに落とさないんだろう?」と思ったら、やはりそれだけの練習をしてきているんですよね。そういうところを僕はチームの選手たちに伝えたいし、限られた練習時間の中で、その時間を有効に使うということも選手やチームにとって必要なことだと思っています。それはつまり、自分の生活・人生のなかでバスケットボールをどう位置づけ、その比重を高めていくことが必要だと思っています。
具体的に選手とはどのように話をしますか?
例えば、「ステファン・カリー(*2)は何であんなにシュートが入るの?彼は試合の前にも300本はシュートを打っているんだよ。それが習慣になっているから試合でもシュートを決める事ができるんだ」といった話をしています。