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イタリア・ミラノ日記 Day 5

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今日は4度目の練習に。

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またまた電車で。
なぜかいつもプラットフォームがギリギリにならないとわからないミラノのプラットフォーム。
 

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外国人でもモップをかける、というのはちょっと違和感あり。


4度目となると、スタッフはもちろん、選手ともかなりコミュニケーションが取れるようになりました。
でもやっぱり英語は必須。本当はイタリア語も話せれば良いのでしょうが。。。
アルマーニは全て英語でやっていたので、イタリアでもやはり英語が話せる人の方がトップでやれる。
ファブリチオコーチは英語が堪能なので、それも長くトップでやっていた理由の一つなのだと思います。
今回、自分が英語を話せなければもらえた情報の20分の1も多分もらえてない。
絶対に何とてしても英語だけはできなければいけない。
英語さえ話せれば世界中、どこに行っても何とかなる。
そうなおさら実感しました。

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とはいえ、AURORA DESIOは全てイタリア語で練習が行われるので、今日は積極的にロベルトや英語を話せる選手に質問して回りました。「今、コーチ何て言ったの?」と、ことあるごとに聞いて回りました。
ファブリチオコーチは、オフェンス、ディフェンス、相手チームの個人の特徴、選手に身につけてほしいファンダメンタルなど、細かいいろいろなことを1回1回の練習に相当量盛り込んできます。
練習中は、本当に全体をよく見ていて、たくさんのことを選手に高いレベルで求め続けます。
だからこそ「整理」がすごい。

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例えば、このハーフコートの5 on 5ですが、3人のコーチの立ち位置が決まっていて、役割までが決まっている。
これは現スペイン代表のスカリオーロコーチのトップアシスタントとして、ファブリチオコーチがアルマーニでコーチしていた時と同じだそうです。 こうしてしっかりと役割分担を明確にして、選手により効率的に情報を伝えられるよう、コーチングができるように配慮しているんですね。そして、5 on 5も、オフェンス、ディフェンス、ハーフコート、フルコート、スクリメージ、とそれぞれで何を強調したいのか、何を教えたいのか、ということが明確になっている。
しかもそれが1週間できちんと整理されて、計画的に選手を指導している。
アシスタントコーチのロベルトも、最初ファブリチオコーチが来た時は、「教えるスピードについていけなかった」と言っていました。1回の練習で伝える情報量が多過ぎて、最初は選手も自分もついていくのが大変だった、と。
でも慣れていくうちに、どんどん伸びていく選手の姿に気付いたそうです。

しかもこうしたことを、選手のコンディションを見ながら、対人練習の量を曜日によって巧みにコントロールして、シューティングやモビリティーのエクササイズなどの量とバスケットの量を操作しながら調整している。
さすがイタリアのトップでずっとコーチされてきたベテランコーチです。

あと面白いな、と思ったのが、彼にこれまで仕えたアシスタントコーチのうち7人がトップリーグか、2部のヘッドコーチとして活躍している、という話から出てきた話。
現在のアルマーニのピアニジアーニヘッドコーチもその一人です。

ファブリチオコーチに「シーズン前に役割分担を与えても、できない人は必ずいるよね?いたらどうするのですか?」と質問してみたところ、「それはシーズン中にアジャストして、できる範囲でやらせなきゃいけないだろうな。でもな、TODO(彼はSHUNSUKEが面倒臭いので、僕のことをTODOと呼びます)、正直言って、きちんと役割を明確にしてあげて、彼の仕事量もしっかり見てあげたら、”できない人”なんていないんだよ。本当に。俺の経験上はいなかった。」と言っていました。

今のAURORA DESIOではトップアシスタントは朝から5つのセッションを今日1日だけでこなしていました。
だからファブリチオコーチは、彼にアルマーニのコーチのようなことは求めない。代わりにオーナーに言って、コーチを増やしてもらって、彼の仕事量を減らすようにシーズンを通して交渉しているそうです。
理由は「あんなに働いたら1回1回のコーチングの質が落ちて、本末転倒だから」だと。

ロベルトは昨年まで以前いたヘッドコーチに怒鳴られ続けてきて、今年からファブリチオコーチになって、ものすごくやりやすくなった、と言っていました。「ファブリチオコーチの下では、しっかりとやることをやれば文句は言われないし、学ぶことが多い」と。

自分が時差ぼけなどでぼーっとしてる時とかも一瞬で見抜かれるんですね。「お前、疲れてるだろ?大丈夫か?」と。
毎日朝から晩までず~っと一緒にいてもらって、いろいろなことをして、彼の方が絶対に年齢的にも疲れているはずなのに、常にこちらのことを気遣ってくれる。今まで海外に来て、ここまで面倒を見てもらったことって一度もないです。彼がここまで人に慕われて、イタリアで一流として成功している理由は、人を大切にすることなんだな、と本当に感じさせられました。

仕事はしてる。スタッフにも高い水準を求めている。でも彼らをいつも観察して、しっかりと状況を把握した上で、指導している。できてないことがあっても、重箱の隅を突っつくようなことを彼はしない。コーチたちが自分で気づくまで待っている感じなんです。当たり前のことなのかもしれないけれど、器の大きさを感じました。

ヘッドコーチ、って日本で考えられているより、海外では「マネージャー(管理職)」の要素が強くて、いかに現場を「マネージメントするか、できるか」にかかっている部分ってあります。
そういう面ではファブリチオコーチは本当に整理が行き届いている。

毎日毎日、その凄さを目の当たりにしている感じです。
帰国までの時間(さあ、いつまでいるのでしょう?笑)、しっかりと学んで帰りたいと思います。