アメリカNBA編 Part2
「パッケージ」の導入
3年前、「パッケージ」を学んだものの、アンテロープスではうまく導入することができませんでした。当時のチームのスケジュールや練習量のこともあるのですが、元々のスキルレベルの問題もあります。NBAでは「パッケージ」の中で行われるファンダメンタルは既に身についたものであったのに対して、今のアースフレンズ東京Zでも同じパッケージを利用しても、そもそもそのスキルだったり、動き方や読み方を「知らない」というケースが出てきます。
それともう一つの問題は環境の問題。
NBAではコーチ1人が2人の選手を担当します。2人分のパッケージを作って、シーズン中に色々付け加えたり修正を加えていく。選手への落とし込みはもちろんできますし、細かいニュアンスまでしっかりと教えることができる。実際アンテロープスでも2名くらいに絞り込めばある程度の成長は見られた。
アースフレンズ東京Zでの自分の挑戦はその人数を増やすこと。さらにそれを体育館使用が練習時間やMTG時間を含めて3時間とか4時間とか、思い切り限られた状況で行うこと。
「できない」から入っては答えは出ないので、「どうすればできるか」から入らなければならない。
東京Zの選手は本当に向上心がある選手しか選ばれていないため、この辺の取り組みは本当に良い。よく「男子よりも女子の方が一生懸命」と言われますが、東京Zに関して言えばそんなことは決してない。一つ技を教えたら延々とやり続ける選手が多い。東京Zの何人かは、女子のトップ選手と同じくらいか、それ以上やり込んでいる選手もいます。
高山選手などは、「コンセプト」を教えたら、あとは自分で考えてひたすらゲームシチュエーションに置き換えてやり込んでいる。同じプレーを何度も何度も自分の身体に馴染むまで続けている感じです。だから試合で応用を求められても対応できるし、今年プレーの幅が大きく広がった選手の1人です。
「パッケージの導入」は今のチームでは選手育成を考えると最重要項目の一つなので、今回の視察とこれまでの経験をもとに今の環境で使用可能にすることを目標に頑張ります。
以前は日本で選手、コーチとして活躍したアントニオ・ラングコーチからパッケージを教わったのですが、今回は昨夏、スロベニア代表をヘッドコーチとして史上初のユーロ選手権優勝に導いたイゴー・ココスコブコーチがリッキー・ルビオに行っているパッケージを直接教わったり、いろいろなポジションのパッケージを勉強しています。
シンプルなのですが、とにかく「理にかなっている」。
使ってみたいものばかりなので、しっかり東京Zの環境に落とし込めるよう、整理したいと思います。
次回は、NBAのシーズン中の練習について。
シーズン中はほとんどチーム練習をライブで行うことはないのですが、今回しっかり見ることが出来ました。
ラッキーです。
ではでは。
TRY HARD!