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輪島射矢 開幕前インタビュー

 オフシーズン中、EARTHFRIENDS.EXEメンバーとして3x3.EXE PREMIER2019に参戦した輪島射矢選手。しかし、不運にもその試合中にケガを負ってしまった。

 それでもまたコートに立つ日を目指し、今も懸命に治療をしている。片時もバスケットボールのことを忘れることなく、33歳になった今でも成長しようと走り続けている。

3x3に挑戦しようと思ったわけは?

「もともとやりたいと思っていた」。
 昨年1シーズンを通して、フィジカルの部分や体のぶつかり合いの部分で成長したいと感じていた輪島。そこで、コートの広さも通常のほぼ半分で、人数も1チーム3人となる3x3への挑戦を決めた。
 
 普段の5人制のバスケットボールでは、外国籍選手とマッチアップする機会は少ない。しかし、3x3は5人制のバスケットボールに比べると空間が余るため、外国籍選手などの体の大きい選手とマッチアップして自分で抑えなければいけない。そこで、外国籍選手などに対して体の当て方を工夫する必要があった。

 実際に試合をしてみると「めちゃくちゃ楽しかった」と話すとともに「どちらかの常識に囚われていると、とてもじゃないけどできない」と、始めて一ヶ月くらいは慣れるのに苦労したという。3x3を5人制のバスケットボールとは全く別のスポーツと分けて捉えていた。

 それでも「切り返しがとても早いので勉強になる」と、一つのものにこだわり過ぎず、新たにたくさんのことを吸収していた。3x3で学んだ経験を今後のシーズンで活かしていきたいと話す。

怪我直後の率直な気持ち

新たなことに挑戦していた矢先、輪島に不運が襲った。「まさか自分が怪我をするとは思わなかった」。3x3の試合中に負傷してしまったのである。

 「倒れた瞬間、バキバキバキって音がして、めちゃくちゃ音がして、えっと思って、マジかと思った。いろいろ思ったけどここで綺麗に立って、自分で外に出たら拍手喝采だなと思って膝を伸ばそうとするけど、本当に痛すぎて無理だった」。

 そのまま立ち上がることができず、輪島は担架で運ばれていってしまった。もともと右膝半月板を痛めており、ロッキングといって膝の角度が変わると半月板が関節に挟まってしまい、膝の曲げ伸ばしができなくなる症状を抱えていた。これは2、3日に一回のペースで起こっていたため、輪島にとっては日常的によく起こることだった。「それに痛みが似ていたため大丈夫だなと思っていた」。

 しかし、病院に行って診断を受けると、右膝前十字靭帯断裂、半月板損傷の負傷で、全治6カ月から9カ月と言われた。その瞬間は「言葉にならなかった」。

 輪島の頭にまず浮かんだのは"引退"という文字だった。「33歳という年齢的な部分であったり、時期的なものであったりと、自分が社長や監督だったら欲しいって思うのかなと。そう思った瞬間、マジかと思った」。

輪島選手を救った言葉

 だが、そんな輪島の不安を取り除いたのは山野代表と東頭HCの一言だった。

「絶対に守る」。

 チームは輪島と、迷わず契約継続を決めた。「それを言われた時は本当にうれしくて。もう1年バスケットボールができることもそうですし、もう1年みんなと一緒にバスケットボールができるという喜びが大きかった。二人には本当に救われました」。

 コートに立てるということは当たり前にあることではなく、その時その瞬間にしかないことを実感した。

現在の怪我の状態

 現在、ケガの状態は順調に回復してきている。だいぶ歩けるようになり、エアロバイクの軽い負荷だと少しなら動かせるようになった。

 それでも手術は「すごく痛かった」という。今まで左肩や左足などたくさんの手術を受けてきて、鼻が折れても自分で治せるくらい痛みに強かったが、今回の手術はそんな輪島にとってもかなり大変なものだった。

 ケガをしてから輪島を支えてきたものはファンの方々の応援だった。ケガをした直後、SNSにはたくさんの応援メッセージが届いた。ファンの方々の気持ちに応えるためにも、今は懸命にケガを治療している。

今の心境は?

 今の心境として、「早くバスケットボールがしたいという気持ちが強い。練習を見ていたらウズウズが止まらない。前よりもバスケットボールがしたくてたまらない。早くコートの中でチームメイトと一緒に走り回ってハイタッチしたり、ここはこうだろうみたいな議論をしたりしたい」とケガをする前よりもバスケットボールに対する想いが強まっている。

 チームに関しても「今年もいいメンバーが集まっているので、東頭HCがやりたいバスケットボールを理解して表現しようという強さがある」。その中で輪島自身がチームのためにできることは、自分の経験を伝えることだと考えている。

 輪島は今の東京Zの中では最年長となる。これからもチームメイトから学びつつ「漢として、先輩として、ベテランとして、プロ選手として伝えるべきことを伝えていきたい。そこの部分をみんなに話すのではなく、背中でみせていきたい」。

輪島選手にとっての「Go!Amazing!」

 まだ復帰の時期がいつになるかは明確ではないが、戻ってくるには「コートにただ立つのではなく、監督が求めているもの、チームメイトが求めているものを表現できて、初めてのカムバックだと思う。戦力となって結果を残して、『ただいま』って言えるように頑張りたい。それまで待っていてほしい。できるだけその時間が早くなるように頑張るが、焦らずに。それまで応援してもらって、そこから一緒に歩んでいってもらえたらいいなと思います」。

 輪島が強くなってコートに帰ってくる日が今から待ち遠しい。

 今年の東京Zのスローガンは「Go! Amazing!」である。輪島は「自分がコートに立ったときが一番の「Go! Amazing!」の瞬間にしたいと思います」と決意を固める。ファンの方々、チームメイトを含めたくさんの人が輪島の帰りを待っている。