2020-21シーズンを迎えるにあたって~”奇跡”の編成~
みなさん、こんにちは。
今日はアースフレンズ東京Zのヘッドコーチとして、チーム編成について話をします。
2020-21シーズンを迎えるにあたって
新しいチームの編成について。
まさに奇跡の編成と言うか、東京Zっぽい編成になりました。まず2019-20シーズンが終わる時に、日本国籍選手12名全員と面談をしました。その時点で、多くの選手が残留希望、みんなこのチームで勝ちたいと言ってくれました。自由交渉選手リストに載せた増子選手や柏倉選手も含めて、東京Zのことを特別に捉えてくれていたのは感じたし、本当に良いメンバーが揃った想いの強いチームだったな、と改めて思っています。
そんな中で、残念ながらコロナウイルスによる大打撃の影響もあり予算がなかなか固まらず、先行きが見えづらい中で来季に向けて編成を進めていく、という状況でした。選手にとっても『条件はどのくらい我慢できるのか?』という交渉から始まったので、残ってくれた選手たちは本当に大きな覚悟を持って、経済的なところも理解しながら、継続を決めてくれたメンバーです。新規加入の選手に関しても、こういった状況の中、同じように経済面に加えて、東京Zのチームミッションを理解し、それぞれが強い志を持って集まってくれたメンバーばかりです。
今回は山野代表もリクルートに奔走してくれました。普段通り、選手を面談して性格や特性の見極めをしたり、東京Zが目指すものとは何か、を強く語るだけでなく、新規選手の家族や家のことまでも親身になって相談に乗ってくれたり、細かなフォローを代表自らがしてくれました。
もともと東京Zは予算的には上位のチームではないかもしれませんが、ちゃんと人材を見極めて、フロントもコートも一緒になって選手・チームを育ててきた、という自負はあります。自分が今回フロントにずっと伝えてきたのは、周りのチームも同じように影響を受けて予算が下がっているであろう中でも、我々がここでなんとか持ちこたえられれば、その力の差も縮めることができるし、『ピンチだからこそ、逆に勝機を見出せるのではないか?、と考えてみませんか』ということでした。
今年の編成が『奇跡の編成』と思うのは、選手が相当の覚悟で集まってくれたこと、会社もこの時期に勝負をかけてくれたこと、そして何よりもこのコロナ禍の中、ファンやパートナーの皆様が「東京Zを応援しよう!」と一致団結してくれたことでした。色々なグッズを買ってくださったり、オンラインイベントに参加してくださったり、トップスポンサーである東京冷機工業株式会社の吉田社長は、『この時期だからこそスポーツチームを応援したい』(東京冷機工業株式会社×アースフレンズ東京Z 代表対談コラムより)とサポートしてくださったり、パートナー企業の皆様が次々と更新を決めてくださったり…そういったことの積み重ねが今回の編成を可能にしてくれました。まさにアスフレファミリーのチーム総力で実現した『奇跡の編成』だと思います。
3つのテーマに沿った編成
今回の編成は3つのことを考えて行いました。
① 継続性とコアグループの維持
自分が加入してからの東京Zでは、毎年HCが変わり、主力も変わってきていました。一番大きいのは外国籍選手も毎年変わっていたことです。それでは中心となる選手が残らず、どうしても若い選手だけになってしまって、毎年チームの作り直し、という状況なので、そうではなく、今回は外国籍選手も含めた『コアグループ』を形成出来るように、と考えました。
結果、昨シーズン最後のスターターで言うと4名、全体で言うと7名の選手と契約更新し、今後の東京Zを担うであろう『コアグループ』を作成できました。PGの久岡、SFの紺野、シーズン途中から合流してチームを劇的に変えてくれたPFのイシュ、シーズン通して本当に暖かくチームを引っ張ってくれたCナナ、加えて特別指定で入ってきたPG/SG栗原とSG髙木と再契約することが出来ました。そして、昨シーズン練習さえ一度もフル参加出来なかったSG輪島がプライドをかけて再起を誓っています。
コートスタッフに関しても、阪口コーチは「中学生の教師になる」という自分の夢を追うということでお別れをすることになりましたが、それ以外のスタッフとは再契約。
みんなチームや自分の方針への理解を持って、同じ方向を向いて頑張ってくれたメンバーです。また一からチームを作り直すのではなく、昨年のベースを「継続」し、彼らが「コアグループ」となって更に上を目指す、という意味では大きな大きな再契約になったと思います。
② 勝つ経験値の獲得
自分はこのチームに『勝てるカルチャーを創りたい』と言ってきたのですが、チームの中に”勝った経験”を実際に持つ選手がいない、というのはいつも大きな壁でした。チームで一番頑張っている人、結果を残している人がそのチームの『基準』になるのが常なんですが、勝った経験のある人が、渡邉拓馬選手と山田哲也選手が抜けたあとはずっといなかった、というのが若く才能溢れるチームがあと一歩勝ちきれない要因の一つなのでは、と分析しました。
その中で、元日本代表の岡田優介選手と、B1での経験を持っている綿貫瞬選手の加入は、チームの歴史の中でもターニングポイントになる非常に大きい出来事だと思います。そしてB1だけでなく、B2からは西宮、広島で優勝経験がある坂井レオ選手も獲得出来ました。短いプレータイムの中でもインパクトを残す選手。岡田、綿貫両名も認めるハードワーカーです。
まずは綿貫選手。東京Z待望のベテランポイントガードということで、彼の加入によって若手選手の精神的なストレスやプレッシャーもかなり少なくなりますし、何より若手選手が成長するスピードがもっともっと加速するのではないか、と期待してオファーしました。綿貫選手は、その粘り強く、勝負強いプレースタイルだけでなく、バスケットに対する考え方とかプロとしての意識の持ち方など、若い選手たちに精神的な面でも伝えられることがある、という点も大きく評価して加入してもらいました。彼自身も「B1に昇格させたい!」という強い想いと相当な覚悟を持って、家族と共に親しみがあった関西の地を離れ、このチームのために戦うという道を選んでくれました。
さらに坂井レオ選手。彼はB1でのプレー経験があり、西宮でも広島でも優勝経験があります。まさに「勝つこと」を知る男。たとえプレータイムに恵まれていなくても毎日しっかり練習をし、常に準備をする、ということ。
アスフレは歴代、心の優しく真面目な良い選手が多いのですが、彼はそれに加えて動物的な精神、闘争心を剥き出しに出来る一面もあります。そういう面で新しい風をチームに注ぎ込んでくれると思っています。一緒にやるのは初めてですが、物静かな中にも沸々と湧き上がるものがありそうで、期待をしていますし、細かいところを見ればまだまだ未完の大器。東京Zの誇る育成力でどこまで伸ばせるか、今から楽しみです。
そして岡田選手。岡田選手とは10年ほど前に代表で一緒にやったことがあって、なんとなく顔を合わせたら話す、みたいな関係でしたが、まさか一緒にやることになるとは思っていませんでした。。。
彼は、プロ中のプロ。代表時代は、公認会計士の資格を取得するということで、代表合宿中にも夜中まで勉強していました。ある日、あれは夜中の2時くらいだったでしょうか?自分がオフィスで仕事をしていたら、急に体育館の電気がついて岡田選手がシューティングを始めたんです。「勉強に飽きたから気分転換に来ました」と。黙々と打ち続けて帰りました。それでいて、明朝の練習も誰よりもしっかりこなす。もちろん徹夜していたようなことも感じさせないし言い訳も一切しない。本当に責任感と想いのある選手で、素晴らしいキャリアを持っている選手です。
若いチームのためになりたい、ということもそうですし、それ以上に36歳になる年ですが『結果を残せる自信もある』と言い切る頼もしさもあり、それなら数字に残せるように一緒にやってみよう、と話し、オファーをしました。ベテランとして若手のお手本になるだけでなく、自らも主力として戦い、一緒にB1を目指そう、と他のチームからの誘いもありながら、最終的には東京Zを選んでくれました。
こちらに来てからは毎日「楽しいです」、「楽しみですね」と笑顔で言ってくれます。ちょうど今日も「良い顔してるね」と言ったら、「自分が来たくて来たのに、つまんない顔するの勿体無いじゃないですか」とさらっと名言を残すんですよね。自分もこの才能ある若いチームとベテランを預かる「楽しさ」「ワクワク感」を忘れずに行こう、と毎日思い出させてくれる存在なので、今シーズンが楽しみで仕方ありません。
③ 世界を目指す新戦力の獲得
それに加えてもう一人、東京Zでしかありえない、まさに東京Zらしい選手が加入するかも???
ポテンシャルが高く、自分らしい、というか、東京Zらしい、というか、そういう逸材です。自分は今後の日本を変える動きだと思いますし、変えられる存在だと信じているので楽しみです。なんとしてもチームに迎え入れたいです!どうなるかは乞うご期待、です!!!
まとめ
このように、新しいシーズンに向けて本当にいい選手たちが集まってくれました。昨シーズンの選手たちが作り上げてくれたものを、今季さらにブラッシュアップしていきます。
繰り返しにはなりますが、このような素晴らしい選手、スタッフが東京Zへの入団・継続を決めてくれたのは、ファンの皆様の応援・パートナー企業の皆様のご支援・フロントスタッフのバックアップ・山野代表の熱い想いがあってこそです。7年間、東京Zが積み重ねてきたものが、今回の奇跡の編成につながったと思いますし、今回集まってくれた選手たちがここでプレーしたい、と思ってくれた理由の一つでもあります。コロナウイルスの影響で経済的に苦しい部分はありますが、そんなピンチがチャンスに変わった、変えた、ということが何よりも東京Zらしさなのかな、と思います。
今シーズンも東京Zらしく暖かく、熱い応援をよろしくお願いします!
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